家具　お仏壇　オーダーメイド　「建築廃材での家具製作・その１」　～オーダーメイド家具・キャビネット・お仏壇・テーブル・ベンチ・インテリア製品・家具工房ZEROSSOのブログ～

八ヶ岳南麓でモダンなお仏壇、創作家具、オーダーメイド家具、インテリア製品、オリジナルの茶道具などを製作している家具工房ZEROSSOの清水泰です。

今日は、「家具　お仏壇　オーダーメイド　「建築廃材での家具製作その１」」のお話です。

解体した実家の柱と床柱を使って、家具を製作してほしい。実家を解体して引越しする高齢のお父様が新しい生活を送る中で、少しでも自宅の思い出が近くに感じられるようにとの依頼である。お客様の思いに応えるべく、何を作るかやデザインに関してやり取りを重ねて、ベンチにもなる抽斗付きローテーブルを製作することに決まった。柱をメインの材料にして、床柱の曲面を装飾として活かすというコンセプトだ。

まず最初の作業は、廃材から家具のパーツを切り出すところである。柱というのは表に見えている部分はもちろん綺麗だが、それ以外の面はほぞ穴や釘穴、節など、驚くほど傷だらけだし、もちろん背割りがしてある。預かった柱からすべての釘を抜くところからスタートして、先ずは天板に使える部分を探していく。釘穴などの名残が見えるのは好まないということだったので、綺麗な面を探していく。あたりを付けたら、縦に割いて必要な部分を切り出していく。９００mmの天板が何とか取れて、一先ずほっとする。次は４本の脚だ。できるだけ傷がない面を２面に持つ角材が取れるところを探しては切り出していく。こうして、構造部分のすべての材を切り出すことができた。

材料を持ち込む、あるいは古い家具を持ち込んでリメイクする場合、材料費が掛からないからその分安いと考える方が多いのだが、持ち込み材を上手く利用してパーツを切り出すことは簡単ではない。替えがない材料なので、何回も考えてから切ることになり、緊張感もかなりある。家具製作では材を切り出す「木取り」作業がとても重要だが、リメイクの仕事では「木取り」でほぼ決まると言っても過言ではないのだ。

そしてもう一つ大切なことは、持ち込みの材を使う場合、そこには思い出やストーリーがあることがほとんどなので、その歴史や思い出が刻まれた風情を作品に上手に残すことが望まれている。ただ綺麗に仕上げれば良いのではないし、かといってそのまま使えば良いというのでもない。全体のバランスを考えながら、いい塩梅で残すことが大切である。

さて、本日の動画は、上述のリメイク作業のご紹介です。