家具お仏壇オーダーメイド「蓋の製作・ガラス器その３」～オーダーメイド家具・キャビネット・お仏壇・テーブル・ベンチ・インテリア製品・家具工房ZEROSSOのブログ～

八ヶ岳南麓でモダンなお仏壇、創作家具、オーダーメイド家具、インテリア製品、オリジナルの茶道具などを製作している家具工房ZEROSSOの清水泰です。

今日は、「家具　お仏壇　オーダーメイド　「蓋の製作・ガラス器その３」」のお話です。

蓋の製作事例の紹介シリーズ。今回はお客様が購入してからあまり使用する機会がなかったガラス器に蓋を付けて、イメージを変えて使ってみたいというご要望にお応えするという事例です。器は透明なガラスの手のひらサイズのもので、シンプルな円柱形に凹凸のデコレーションが施されたような感じの作品、二つです。

お客様から一つはこんなイメージで、もう一つはお任せでというお話を伺っていたので、それを頭に置いて製作をスタート。ガラスは透明なので、色も形も合わせやすいと思いきや、これがどうもしっくりこない。濃い色では強すぎてガラスの持つ清涼感が相殺されてしまう感じだし、ツマミを乗せてみると、どんな形もバランスが良くない。結果、やや淡い色のニセアカシヤを蓋に使い、ツマミは付けずにまとめることとした。

１つ目は、中に落とし込んで納める通常のスタイルで進めた。しかしながら、いつものような縁に合わせたラインだとどうしても合わないので、器よりも少し縁が張り出すような感じでまとめた。お茶入れにも使えるようにと言うことから、トップに平らな部分を少し作り、お茶杓が乗るような形状にした。このままではシンプル過ぎて面白みがないので、ドット模様を散りばめて、面一に仕上げてみた。これで大丈夫、先ずは一つが完成して一安心。

２つめは同じ感じではつまらないので少し変化を付けることに。１つ目の製作で、器の縁よりも外に張り出さないとバランスが取れないことがわかったので、帽子のように被せるスタイルでチャレンジしてみた。器の外側のデコレーションが、波打つような柔らかい感じなので、蓋の縁も波打たせてトロリと流れるような感じでまとめてみた。これがぴったりはまっていい感じになったので、更に変化を付けるためにこちらはドットではなく、段差をつけてより一層流れるイメージを強調するようにまとめてみた。１個目と同じく、お茶杓が乗せられるようにした。

蓋の製作は、単に蓋を器に合わせて作るだけと言えばシンプルな仕事だが、落としどころを探すことが難しいということを、今回の仕事であらためて思い知ることになった。簡単に合わせられそうな予想が全く外れて苦戦したことを、今後の製作に活かしていきたいと思います。

予想もしなかったユニークな蓋に、お客様はとても喜んで下さいました。蓋を付けたことで、新しい使い方ができれば、作り手としても嬉しい気持ちです。このような製作の機会を頂きましたこと、心からお礼を申し上げます。

様々な器や箱などに合わせての蓋を製作致します。蓋が壊れてしまったが捨てられない器とか、蓋を付けることで雰囲気を変えたいとか、これまでちょっと隠れていた器を表舞台に出す、使い方を変えて楽しんでみたいなど、暮らしを豊かにするお手伝いが出来ればと思っています。どうぞお気軽にご相談ください。

さて、本日の動画は、ガラス器の蓋製作のご紹介です。