家具　お仏壇　オーダーメイド　「お茶事・亭主日記・その４」　～オーダーメイド家具・キャビネット・お仏壇・テーブル・ベンチ・インテリア製品・家具工房ZEROSSOのブログ～

八ヶ岳南麓でモダンなお仏壇、創作家具、オーダーメイド家具、インテリア製品、オリジナルの茶道具などを製作している家具工房ZEROSSOの清水泰です。

今日は、「家具　お仏壇　オーダーメイド　「お茶事・亭主日記・その４」」のお話です。

去る１０月８日、亭主を務める正午の茶事が無事に終了した。

準備を続けていく中で、不安なところ、不十分なところなど、出てきては質問したり調べたりしながら臨んだが、不安と緊張が高鳴る中、当日を迎えた。懸念された天気は予報通りの雨。集合してから外回りの掃除を担当していたこともあり、着物を着て雨の中の掃除は無理と判断して、早朝に雨具を着こんで周辺の掃除に出向いた。数日前にアプローチも含めてきれいに掃除していたが、またかなりの栗が散乱していたので綺麗にした。

この掃除で外回りはもう大丈夫と思えたので、気持ちはだいぶ楽になりました。集合してからは茶室や待合、水屋などなど室内の掃除と様々な準備を行いました。そうこうするうちに、早めに到着したお客様に入口を案内したりしてと、あっという間にスタートしました。

この時点ですでに失敗したと感じたのが、どこが寄り付きでという詳しい案内をしていなかったこと。馴染みのお宅であっても、茶事用に動線を変えていたので、お客様が迷ってしまいました。席入りするまでは会話もない予定の亭主が、動線の説明をせっせとしてからのスタートになりました。

無事に席入りして挨拶を終えて、いよいよ懐石がスタートしました。お点前は練習してるけれど、本や動画で確認するだけの懐石はぶっつけ本番である。段取りやセリフを書いたメモを傍らにしながら、一つ一つ進めていった。席入りから懐石が進む段階まで、やはり緊張感が続いていて、描いた通りにはならないことも感じる。お客様も慣れていない状況で緊張感もある中で、本来ならば亭主がどっかりとゆったりと構えて、お客様の力を抜くような態度で接し、落ち着いて茶事に入って行けるような誘導をするのが役目なのだと思うのだが、そんな余裕は全くなく、自分がするべきことに頭が行ってしまうのだ。

焼き物を出し、強肴を出したところで、少し区切りがついてホッとする。がすぐに大きなイベントの千鳥の杯のメモをチェックして、八寸を持ってお客様の前へ。この部分が、懐石では最も混乱しそうなところであるとチェックしていた。お客様の前にいる時間が長くてメモを確認できないので、一連の流れを覚えないといけないからである。流れを思い出しながら、時にお正客の方と確認しながら何とか進めていく。千鳥の杯は覚えたつもりであったが、いざやってみるとどうもうまく流れて行かない。自分が忘れることもあるし、お客様が決まったセリフを言わないこともあるし、その場では色々あるので、事前にシミュレーションをしなかったことを後悔した。

こんな調子ではあるが、お客様の温かい眼差しとご協力で何とか進めて、懐石は無事に終了した。初炭手前から始まり、濃茶、中立ち、後炭手前、薄茶と続けて行ったが、この流れに入ってからは、むしろ落ち着いてきて、淡々と進めながら、道具の説明や問答などもしっかりと行うことができた。最後に皆様それぞれと挨拶を交わして、お客様がとても喜んで下さったこともわかり、３時間４０分に渡る正午の茶事は終了した。（続く）

さて、本日の動画は、朝の一服のご紹介です。