家具お仏壇オーダーメイド「木組みベンチ」～オーダーメイド家具・キャビネット・お仏壇・テーブル・ベンチ・インテリア製品・家具工房ZEROSSOのブログ～

八ヶ岳南麓でモダンなお仏壇、創作家具、オーダーメイド家具、インテリア製品、オリジナルの茶道具などを製作している家具工房ZEROSSOの清水泰です。

今日は、「家具　お仏壇　オーダーメイド　「木組みベンチ」」のお話です。

本日紹介するのは玄関用にと依頼されて製作した木組みのベンチ。新築のご自宅用のものですが、この家を建てた棟梁からの依頼で、国産材を使い、金具や化学系接着剤は使わず無塗装でという条件。木組みは基本構造として普段使っているものの、接着剤無しとなるとピンや楔などを利用した構造が必要となる。肘掛付きということもあり苦戦しつつもデザインをまとめて製作を進めた。

使用した材は本体がクルミ、座面には木目の豊かな杉を用いることにした。完成した本体の写真を棟梁に見せて、そのイメージから棟梁が選んだ杉材が送られてきたのでそれを使って座面とした。

ホゾ組の構造を基本形として、ピンを打ち込んで固定する方法にした。側の幕板と前の幕板との接合部分は通しほぞで楔を打ち込むことに。加工が終わり組み立て段階で色々考えた末に、順番に固定することはせずにすべてを組み上げてから、ピンと楔を打ち込みながら全体を締めていく感じでまとめていった。接着剤の場合には部分的に組んで固定して、部分組したそれぞれのパーツを本組してまとめるという流れがほとんどであるが、接着剤を使わなければ乾燥時間を考える必要がないので、遊びを持たせつつ順次締めていく方法にした。

座面は２本の吸い付き桟を寄せ蟻という技法で固定し、その桟を側の幕板とピンで繋ぐ方法とした。賑やかな木目の杉はとても美しく、成形してから最後にうづくり仕上げを軽く施して完成となった。

今回の仕事はいつもと異なる条件下での製作となり、緊張感を伴う作業が続いた。今後に向けて、また新しいスタイルの一つとして加えていけそうなものとなった。ユニークな仕事の機会を与えてくれた棟梁に感謝です！

さて、本日の動画は、上述のベンチのご紹介です。